お知らせ

2024年をメドにした社会保障の大改悪と私たちの運動

投稿日:

(1)消費税増税、65歳以上の介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料引き上げを相次ぎ発言

2022年10月末、①政府税調は「未来永劫、消費税が10%のままで日本の財政がもつとは思えない」「高齢化の進展に伴い遅れることなく消費税の引き上げを考えていかなければならない」と将来的な消費税の増税を示唆(しさ)し、②厚生労働省は2024年をめどにした65歳以上の介護保険料の引き上げ、③厚労相の諮問機関である社会保障審議会では、今年の10月から負担割合を1割から2割に引き上げられたばかりの75歳以上の後期高齢者医療保険制度の保険料引き上げを検討していると報道されています。
10月から改悪された後期高齢者医療制度の負担割合、さらに2024年に目論まれている同制度の保険料の引き上げは、大企業などで構成する団体「けんぽれん(健康保険組合連合会)」がコロナ前から政府へ要望してきた中身を実現するもので、高齢者本人の負担増(医療費及び保険料のダブルパンチ)を先行させ、将来的には、後期高齢者医療に各保険者から拠出している支援金の負担軽減を求めていくとみられ、私たちもこの動きを大いに注視していく必要があります。

(2)健康保険証廃止、マイナンバー一本化の狙いは医療保険制度の一元化…国保を守るたたかいを強めよう!

高齢者を狙い撃ちにした医療・介護保険の改悪と前後して政府は、2024年に現在の健康保険証を廃止して、国民には「任意」となっているマイナンバーカードに健康保険証を一本化すると発表しました。国会の中ではマイナンバーカードを持たない人についても保険診療が受けられるように新しい制度を用意すると岸田首相は答弁しましたが、現行の健康保険証を使えば済むことで、政府の発表及び国会での首相答弁は、本末転倒であり、新たな制度を欲しがるシステム会社を喜ばすだけのものです。
マイナンバーカードの健康保険証としての利用は、2000年代前半の小泉政権時代に打ち出した「医療保険の一元化=すべての健康保険を一本化」が目的です。東京土建国保を含むすべての医療保険はすでに7割給付となっており、今後、6割、5割と目に見える改悪が明らかになれば、私たち労働組合や国民の反対運動が大きくなることが容易に想定されることからも困難です。
しかし「任意」であるマイナンバーカードを健康保険証にすれば、医療保険の制度は事実上の一本化となり、マイナンバー制度の裏側にある国民一人ひとりの税情報と健康情報、医療情報などを連動させれば、所得が高い人たちの医療費負担を増やし、各保険者(国保組合や健康保険組合など)が独自の制度とする付加給付(組合員・家族の入院全額償還や入院疾病給付金制度など)を骨抜き(事実上の制度廃止)にすることが可能です。
国保組合の補助金増額などとあわせた制度改善に伴って組合員が増え、東京土建が発展してきたことからも、健康保険証の廃止、マイナンバーカードの健康保険証への一本化反対の運動を東京土建の存続をかけたたたかいとしながら、土建国保と社会保障改悪の歴史を改めて学び直し、今現在、高齢者に集中した社会保障制度改悪の攻撃が次は現役世代への制度改悪につながっていくことも認識しながら、土建国保を守る運動と社会保障改悪を許さないたたかいの再構築をすすめていきます。

-お知らせ

ページ先頭へ